香港の歴史

香港は、その正式名称を香港特別行政区と呼び、中華人民共和国の特別行政区の一つとなります。香港は、阿片戦争後の南京条約によって1842年に清からイギリスに香港島が割譲され、1860年には北京条約により九龍半島が割譲、1898年には新九龍地区や新界地域の99年租借がされ、それ以降1997年の中国への返還時まで長年に渡りイギリスの植民地でした。古い時代から交通の要所であり、イギリスの植民地時代には物流や金融、貿易の拠点として大きく発展してきました。

第2次世界大戦で、香港は一時日本軍に占領統治されていましたが、1945年の終戦後には再びイギリスの統治下となりました。当時、内戦中の中国本土から逃れてきた中国人の大きな労働力を背景に、イギリスのジャーディン・マセソン商会をはじめとした外国資本や華人系の資本が、上海から香港にその本拠を移し、戦後の香港経済の発展に大きな関わりを持ちました。以降、香港は世界の金融市場の中心地のひとつとして急速に発展し、貿易や商業の面でも世界有数の都市として成長、同時に世界有数の観光都市として数多くの観光客が世界中から押し寄せる都市となったのです。

その間、中国とイギリスとの何度かの交渉により、中国の要求する「港人治港」の主張が勝り、1997年にイギリスはついに香港を手放したのでした。中国は、その交渉過程の中で、香港を特別行政区として向こう50年間は「一国両制」政策を基本に香港では中国の社会主義政策を行わず、引き続き資本主義体制で行くことを約束し、現在の香港の体制が生まれたのです。基本的な社会や経済の制度は変わりませんが、公用語はそれまでの英語と広東語に加え、新たに中国の標準語である普通語が採用され、学校でも授業に加わるようになりました。